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diary

見違えたヤクルト

 ヤクルトが10連勝するなど、低迷時からは考えられないほどの追い上げを見せています。私は8月14日の阪神戦(京セラドーム)を見たのですが、そこである顕著な違いに気付きました。
 先発スタンリッジ投手に対し、打線の粘りが際立っていたのです。特に5番の畠山選手から始まり、相川、宮本、川端の3選手に続いた二回の攻撃。得点はできなかったのですが、どの打者もファウルが多く、簡単に打ち取らせることを許しませんでした。安打も凡打もあっさり勝負が決まっていた阪神とは対照的でした。
 空振りが極端に少なく、スタンリッジ投手に奪われた三振は投手の1個だけでした。七回途中まで実に124球を投げさせ、これで不安定な阪神の救援陣は前倒しの継投になりました。ヤクルトは1点差で敗れはしましたが、あわやというところまで追い詰めていました。
 きっかけは5月の高田繁監督の辞任でしょうが、ここまで打者の姿勢が変わるものかとも思いました。今の好調さの要因は狙い球の徹底だけではないでしょう。各打者の精神面が充実していて、それが的確なボールの見極めと難しい球をファウルにするなどの粘りにつながり、投手を苦しめていると感じましたね。
 巨人、阪神のように強打者がいるわけではありません。しかし、打線がこの状態を維持していれば、2チームとも十分に渡り合えるだけの打力はあります。投手陣は悪くないだけに、ここに来てヤクルトから目が離せなくなりました。

diary2010/09/22

下積みが効いた中田選手

 中田翔選手(日本ハム)の本塁打量産ぶりが際立っています。プロ3年目にしてようやく花開きつつあります。

 きっかけは7月20日のロッテ戦で大嶺祐太投手の内角速球を左翼席に運んだプロ初本塁打だったと思っています。今春のキャンプから外角の変化球への対応には成長を見せていました。後は内角をどう打つかだとみていました。球の切れ、制球ともこれまで過ごした2軍の投手とは比べものにならない1軍で、こういう形で本塁打を打てたことはかなりの自信になったことでしょう。
 内角球への不安がなくなると、より余裕を持って外角の変化球にも対応できるようになるものです。その後はコツをつかんだように本塁打を連発しています。8月8日の楽天戦では田中のシュートをスタンドに運び、自信は確固たるものになったのではないでしょうか。
 球団は中田選手を1軍で育ててほしかったようだが、結果的には2軍で実戦経験を積んだことがプラスになったと思います。プロ入り時よりも体はシャープになり、腰に切れが出ています。技術の進歩だけではなく、体ができたことで内角球をさばけるようになったと私は思っています。
 コンパクトなスイングで球を遠くに飛ばすのは、限られた打者にだけ可能なことです。一足先に飛躍したT―岡田選手(オリックス)とともに、中田選手にも将来球界を代表する打者になりそうな雰囲気が感じられますね。

diary2010/09/18

和田投手の飛躍

 由規投手(ヤクルト)が7月29日の広島戦(神宮)で日本人投手最速に並ぶ球速158キロを出しました。ただ、由規の直球はたびたび安打され、打者はスピードガンほどの速さを感じていないように見えました。私はこの光景に、和田毅投手(ソフトバンク)の今季の飛躍を思いました。
 和田投手は自己最高のシーズンを送っています。その最大の要因は直球の質の向上でしょう。切れ、制球とも昨季をはるかに上回っています。昨季まではスライダーやチェンジアップで逃げることがありましたが、今季は直球で押すことが多いです。140キロそこそこの直球でも空振りを奪えています。自信があるからでしょう。捕手のサインに首を振って直球を投げ込むことが増えました。
 もともと球の出どころの見づらさには定評がありました。直球の切れが増せば、打ちにくさは倍増するのは必然です。さらにチームメートで同学年の杉内俊哉投手と比べると、制球ミスが多かった内角直球の精度も上がりました。失投がほとんどなくなり、杉内投手に匹敵する安定感を見せています。
 昨春のWBCでは合宿に参加しながら、日本代表からは落選しました。相当の悔しさを味わったと聞きました。もうワンランク上の投手になろうという転機としては十分な出来事だったはずです。1年を経て直球の質を上げてきたことは、そのこととも無関係ではないと私は思っています。

diary2010/09/15

日米で事件

 日本とアメリカで立て続けに考えさせられる“事件”が起きました。
  一つはメジャーリーグのマリナーズでの話。7月23日のレッドソックス戦でワカマツ監督が二塁手フィギンズの怠慢な守備を注意しました。すると、フィギンズは監督に逆に向かってきて、ベンチ内はもみ合いになる騒動に発展したのです。
 選手が指導者、しかも監督にこのような態度を取ることは日本ではあり得ません。フィギンズは次の試合に出場し、その後も特におとがめはなかったようです。監督は当然のことをしただけで、ペナルティーがあってよかったと思うのですが…。選手の力が強大な米国らしい出来事だなと思いましたね。
 もう一つは日本で、西武での話だ。大久保博元2軍打撃コーチが選手への暴力行為の疑いで、7月22日に解任されました。行き過ぎた指導があったのでしょうか。昔ほどではないにせよ、日本ではコーチと選手の間に依然として強い縦関係が存在していることがうかがえました。
 私はこの縦関係を否定するつもりはありません。それが例えば規律をもたらしてチームを一つの方向に向かわせるなど、日本野球の良さにつながっていると思うからです。しかし、「愛のむち」にも限度はあるはずです。
 選手が強過ぎる米国と指導者が強過ぎる日本。どちらの風土でも、選手と指導者が適切な関係を保つということは難しいことだと感じさせられました。

diary2010/09/09

驚きの阪神打線

 セ・リーグの前半戦で最大の驚きは阪神打線の変ぼうぶりでした。
 城島健司、マートンの2選手の新戦力が打線の迫力を見違えさせました。金本知憲選手がシーズン序盤で先発出場から外れても、それを感じさせない破壊力を見せてきました。金本選手が先発に戻ってきた今、巨人の強力打線をしのぐのではないかと思うほどですね。
 巨人と同じく、どこからでも点を取れるようになりました。4番の新井貴浩選手が不振のときもありましたが、ほかの選手で点を取って勝つので、それもあまり目立たなかったです。こうなると新井選手は重圧が減り、復調が早くなるというものです。これは新井に限らず、ほかの選手にも言えることです。阪神は打線全体で常に一定の好調さを保っている印象です。
 空中戦でも巨人と互角以上に渡り合っています。東京ドームの試合では、昨季まで阪神の投手陣が感じていたプレッシャーを、今は巨人の投手陣が阪神打線に感じているように見えます。これをシーズンの早い時期に印象付け、自信を持てたのは大きかったです。今やチームはある程度なら失点しても、取り返せる感覚を持ちながら戦えています。
 打線は水物とされるますが、阪神は巨人とともにそれが当てはまらないチームになりました。中日の投手力は侮れないものの、後半戦も巨人に気後れすることなく戦えるのは阪神だけだと思っています。

diary2010/08/29

西武に待望の左打者

 少し前の話ですが、西武に生きのいいバッターが出てきました。2年目の坂田遼選手です。7月4日に2010年の初出場を果たすと11日までの6試合で4本塁打を量産しました。
 ずんぐりした体形、ユニホームの着こなしはストッキングを見せるオールドスタイルでした。今の若手が目指しているスマートなイメージとは懸け離れています。経歴は函館大学からドラフト4位の入団で、エリートコースを歩んできたわけでもありません。しかし、私にはこれらのことが坂田選手の勝負強さを形成しているように見え、余計に魅力的に感じられました。
 初対戦の投手でも気後れせずに、初球から積極的に振っています。同じ変化球を続けられたら、2球目にはきっちり対応していました。ベンチからすると、何かやってくれそうな雰囲気を持っています。こういう打者はそうそういないものです。
 守備や走塁は1軍レベルとは言い難いです。しかし、打撃には大きな可能性を感じますね。
 西武は以前から、右打者に比べると左打者の長距離砲不足していました。打線のバランスという点でも貴重な存在ではないでしょうか。

diary2010/08/23

トレーニングと選手寿命

 楽天の田中将大投手7月4日に右太もも裏を痛めて出場選手登録から外れました。練習中のけがだそうで、ひと昔前なら考えられない故障の仕方だと思いました。
 今年はほかにも中村剛也選手、岸孝之投手(西武)、松本哲也選手(巨人)ら主力に故障が続出しています。昨年までとけが人の“総量”は大きく変わっていないのかもしれませんが、中心選手だけにその多さが目立ってしまいます。
 私は一因として、基礎体力の強化がおろそかになっていることがあると思っています。特に若い選手はトレーニング法やサプリメントの知識ばかりを追求し、例えば走ることなど基本的な練習が減っているように感じます。「野球の筋肉は野球でしか鍛えられない」などとされてきた言葉など、通じないようです。
 さらに体に異常を感じたらすぐに申告し、持ち場を離れることもしばしばです。昔は弊害もあったが、ポジションを奪われまいと致命的な故障でない限りは隠すのが常でした。今は故障を未然に防ごうとしている半面、結果的に故障に弱い体になっているようにも思います。
 球界では近年、多くの40歳代の選手が活躍しています。しかし、彼らはいずれも若いときに徹底して基礎体力の強化に努め、その貯金が今に生きています。幹ではなく、枝葉を鍛えているように見える今の選手たちは彼らに続けるのでしょうか。今以上に選手寿命が延びているかについて、私は少し懐疑的に見ています。

diary2010/08/14

リード充実で本塁打量産

 巨人の阿部慎之助選手がホームランを量産しています。もともと打てるキャッチャーですが、私は今シーズンの好調さの陰には、リード面の充実があるとみています。

 近年、阿部選手の投手への接し方には成長を感じていました。自ら歩み寄ってコミュニケーションを取ろうという意欲が見て取れ、年々中心選手としての自覚が出てきていました。例えば捕球一つ取っても、以前はミットが流れるような、いいかげんなところがありましたが、今は一球一球、気持ちを込めて捕っています。
 今季は「自信を持って、ここに投げてこい」というしぐさでピッチャーを鼓舞し、安心感を与えることも増えました。配球そのものに劇的な変化はないものの、女房役としての存在感は今や球界屈指となっています。
 年下の投手ばかりで、リードしやすくなっている面はあるでしょう。しかし、それを差し引いても投手の信頼を勝ち取っていることは評価に値します。守備で投手にこれだけ信頼されてチームが勝てば、リード面の負担は減ります。そうなると、よりバッティングを追求する時間が得られるものです。そして打つことでピッチャー、チームからの信頼感はさらに増し、リードもしやすくなる。まさに好循環ですね。

 31歳の阿部選手。私の現役時代を振り返っても、脂が乗る時期に来たと思います。あと数年、頑張って“貯金”を蓄えれば、40歳でも第一線でプレーすることが見えてくるはずです。

diary2010/08/07

城島選手の持ち味

 6月19日に行われた横浜と阪神の試合では、城島健司選手の捕手としての持ち味が存分に出ていました。

 1―1の三回一死三塁での阪神の守りでした。横浜の石川選手に初球ファウルからの2球目。城島選手はは久保投手に外角へ外す球を要求しました。投球はバウンドしましたが、これを捕球すると、すぐさま三塁にけん制球を送りました。三塁走者の下園選手は戻り切れず、タッチアウトになりました。阪神はピンチを脱し、直後の攻撃で4点を勝ち越しました。試合の流れをも変えたピックオフプレーだった。
 城島選手は初球でカウントが有利になったことで、けん制球を狙っていたと思います。ボール先行から外すと、2ボールになって苦しくなるからです。ここしかないという状況でした。もともと城島選手はピックオフプレーを得意にしています。勝負勘の鋭さは健在ですね。
 一方の横浜は下園選手の走塁がお粗末でした。ベンチからゴロなら本塁を突けと指示され、意識が前に行っていたのでしょうが、あまりにも不用意でした。頭から滑り込む帰塁の仕方もまずかったですね。捕手の送球を邪魔しながら、三塁線上を立って戻る基本がおろそかになっていましたから。
 試合は阪神の完勝でした。阪神が城島選手の存在感で巨人とし烈な首位争いを繰り広げている現状と、細かなプレーに課題がある横浜の苦戦が続いている現状につながっていることが端的に表れた場面でもありました。

diary2010/08/05

オリックス版JFKで優勝

 交流戦で優勝したのはオリックスでした。光ったのは試合終盤のリリーフ陣の必勝リレーでした。  昨季まで主に先発だった岸田護、平野佳寿両投手を救援に回した配置転換が当たりました。彼ら2人だけでなく、オリックスの先発陣には好投手がそろっていましたが、完投能力の高い投手は好調時の金子千尋投手ぐらいでした。
 岡田彰布監督はリリーフに適性がある投手を的確にピックアップしていました。特に先発で伸び悩んでいた平野投手は生き返りましたね。当初抑えだったレスター投手が不安定と見ると、すぐさま岸田投手と入れ替えています。この辺の決断も素早かったです。
 岡田監督は阪神監督時代に「JFK」を確立しました。もともと勝利という結末から逆算し、投手をはめ込んでいく手法が得意です。このこだわりをオリックスにも持ち込み、交流戦初優勝という成果を出しました。
 オリックスはかねて投打に若手の好素材が多かったです。一方で経験の浅さから、もろさが同居していました。岡田監督はそんな弱点を見抜いていたのでしょう。だからこそ、開幕から試行錯誤を繰り返しながら、勝ちパターンをつくり上げていったのではないかと思っています。
 今やチームにはこの型に持ち込めば勝てるという自信が芽生えました。投打の歯車がかみ合うようになっています。交流戦前よりはるかにチーム力はアップし、リーグ戦での上位進出にも機は熟してきました。

diary2010/07/25

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