イチローに感慨
オリックス時代の彼を知る日本球界の関係者の中には、当時の姿を思い出しながら感慨に浸った人も少なくないと思います。西武の捕手としてイチローを抑えることに躍起になっていた私も、その一人でです。
確か、メジャーに行く数年前の対戦だったと思います。既にイチローは球界最高の打者でした。一方、私が受けていた西武の潮崎投手(現西武コーチ)も全盛期を迎えていました。ある試合での対戦、私は潮崎投手の持ち球のすべてを使って抑えにかかりました。すべてストライクゾーンの隅といった際どいところばかりに要求しました。その上緩急を駆使し、1球たりとも甘い球はなかったと記憶しています。
しかし、イチローはこれらの球をことごとくバットに当ててファウルにしました。そして最後にセンター前にヒットを打ったのです。イチローにはここは打てないという弱点が一つもありませんでした。普通なら試合前のミーティングで相手打者の対策を練るのですが、それが無意味なのですからイチローの名前は出てきませんでした。バッテリーはその打席で対戦したときの感覚だけを頼りに、出たとこ勝負をするしかなかったのです。
もちろんそんな打者はほかにいなかったです。打たれてもともとでしたから、捕手にとってイチローとの対戦は楽しみでもありましたね。
diary2009/10/12




