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ビデオ判定に改善の余地あり

 プロ野球では開幕早々、ビデオ判定が多発しました。私はかねてこの制度の導入に賛成してきました。実際に起こって現場関係者の反応を見ると好意的なものが目につくのですが、その一方で現行制度の問題点も浮き彫りになりました。
  3月27日の巨人―ヤクルトではガイエル選手の打球を巡って、インプレーが本塁打に覆りました。この時は映像がバックネット側からのものしかなく、判断が難しかったようです。また翌28日の阪神―横浜でカスティーヨの打球は、映像からは明確に分からなかったという理由で、当初の判定通り二塁打になりました。
 この2件のように映像の不備もあり、ビデオ判定には改善の余地がありそうですね。外野に審判員を置けないのなら、もっとカメラの台数を増やした方がいいと思います。制度の導入を決めたのですから、運用も徹底的に行うべきでしょう。
 まだ開幕1カ月余りですが、ビデオ判定を要する件数は結構ありました。今後も映像に頼らざるを得ない判定が多数、出てくることが予想されます。今はまだシーズン序盤です。これが優勝を争う試合の、勝敗を分けるような場面で訪れたらどうでしょうか。映像が見えにくい中で判定され、現場の関係者は簡単に引き下がるでしょうか。
 正確な判定を期すために導入したビデオ判定が、混乱を招くようでは本末転倒です。早めに改善に動くべきだと思います。

diary2010/04/30

ニューダルビッシュに期待

 日本ハムのダルビッシュ投手は過去最高の仕上がりで2010年シーズンの開幕を迎えました。本人が「ワンシーム」と言うツーシーム系の新球種も身に付けました。既に球界ナンバーワンだった投手がさらにどんな進化を見せてくれるのか、私も開幕戦を楽しみにしていました。しかし、予想もしなかった5失点という結果に終わりました。
 最大の敗因はそのワンシームの多投にあったと思っています。この球は右打者ならシュート回転しながら鋭く沈みます。高速フォークボールにも似ていますね。走者がいるときにゴロで仕留めたい場面や、内角にボール球がほしいときに使える球種です。
 ただ、使い過ぎると威力は半減します。慣れてきたソフトバンクの打者に際どいところを見逃されることも多かったのです。あるぞ、あるぞと思わせるだけで効果大です。そして、ここぞという場面で使うのです。ダルビッシュ投手はほかの変化球も、すべてが勝負球になるほど一級品です。だからこそ、ワンシームに偏る必要はなかったのです。
 この日、ダルビッシュ投手は杉内俊哉投手より先に序盤で3点を失いました。緊迫した投手戦にはならなかったのです。それで昨季までとは違う姿を見せようと、ワンシームを多投することになったのかもしれません。いずれにしても次回はここまで投げてはこないでしょう。そのときは球種が増え、さらに投球の幅が広がった「2010年版ダルビッシュ」が見られると期待しています。

diary2010/04/24

岩隈に2年間の反動?

 岩隈久志投手(楽天)が開幕から3試合投げてまだ勝利がありません。特に4月3日のソフトバンク戦は今後が心配になる内容でした。どの球種も好調時に比べると、はるかに悪かったのです。すべてが勝負球にもカウントを取る球にも使えていたのに、どの球も勝負球になっていませんでした。ピンチでことごとく失点し、詰めの甘さが目立ちました。
 確かに強風が吹いて投手には不利な状況でしたが、それを差し引いても球の質が悪いです。もともと肩に不安がある投手。肩やひじを気にするしぐさは見られなかったのですが、故障ではと勘繰ってしまうほどの不調ですね。
 ほかに原因を求めるなら、やはり疲労の蓄積でしょうか。一昨年は21勝、昨年はWBCで大車輪の活躍を見せ、シーズンでもチームをクライマックスシリーズ進出に導くなどフル回転しました。
 あれほどの投手だから目標を見失っているとは思えません。ただ、タイトルにしてもチーム成績にしても、間近にあるターゲットを強く欲しているようにも見えません。どこか集中力を欠いた今の投球を見ると、肉体的な疲労とともに、精神的にもここ2年張り詰めてきたことが反動として出ていることが考えられます。
 次回はもう4度目の登板。いかに修正してくるか、その正否が今季の岩隈を占うと私は思っています。

diary2010/04/21

ご冥福を

 病床で闘っていた巨人の木村拓也コーチが亡くなられました。

 今年の巨人のキャンプでコーチになったばかりの彼と会って話したのが最後になりました。去年はチームの窮地に捕手としてもプレーしたり、選手時代はユーティリティープレーヤーとして活躍しました。その経験を生かして、いい指導者になるんだろうなと思っていました。余りに早過ぎることで、惜しまれてなりません。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

diary2010/04/07

城島捕手のセ対応に注目

  昨春のWBCで日本代表としてともに戦い、同じ捕手ということもあって、今季はどうしても阪神の城島健司捕手のことが気になりますね。

 新天地では投手陣の信頼をつかむことが成功の大前提ですが、それ以外にもポイントになってくることがあると思っています。城島選手はダイエー、ソフトバンク―マリナーズと指名打者制があるリーグでプレーしてきました。投手との対戦があるセ・リーグは初めてです。1アウトを計算できる投手が打席に立つことは、基本的に捕手にとって楽なことです。パは1番から9番まで気を抜けない配球が続きますが、セではピンチで8番と無理に勝負せず、歩かせる選択肢もあるからです。
 一方で思わぬ落とし穴が潜んでいるとも思います。投手に対しては“暗黙の了解”で内角をがんがん攻めることはありません。しかし、相手もバットを持っている以上、何かが起きる可能性があります。投手の安打や四球から失点することもままあります。打ち取るのが当たり前ですから、打ち取れなかったときのショックは大きいです。
 過度に厳しい配球はできないものの、油断もできない。その辺りのバランスをどのように取っていくか。城島選手ほどの捕手だから対戦を重ねれば容易に乗り越えられるテーマでしょうが、特にこの開幕直後の時期には、セの野球への対応ぶりに注目しています。

diary2010/04/06

雄星に課題と期待

 プロ野球はセ、パともに開幕しましたが、2010年注目の西武の新人、雄星投手は2軍調整が続いています。私は雄星投手が171球を投げ込んだ2月19日にキャンプ地を訪ねたのですが、そのとき既にすぐに1軍で活躍するのは難しいなというレベルでしたね。
 その日は直球しか投げていませんでした。それでもばらつきが多く、指に掛かったときはいい球が来ていましたが、それも10球に1、2球の割合でした。投球間のインターバルが短いことも気になになりました。単純に肩をつくるために球数をこなすのが目的ならそれでもいいのでしょうが、フォームを固めるにはふさわしくないからです。
 周囲に聞くと、この時期は投げ込んだことがなかったそうです。それならこれだけ苦しむのも無理はないと思いました。しかも毎日、マスコミに追い掛けられ、評論家にはあれこれと指摘され、精神的に相当参っていたと思われます。近年、涌井投手(西武)田中投手(楽天)といった高校出のルーキーが早い時期から活躍していることもプレッシャーになっていたかもしれませんね。
 彼はあの年にしては自分の信念を持っています。しかし、それが逆に若さやがむしゃらさを奪っているようにも思えました。あまり考え込む必要はないと思います。素材は間違いなくいいのですから。特に右打者の内角に入ってくる球には非凡なものを感じました。あまり騒がれない2軍でもう一度、じっくりと自分を見つめ直し、早く1軍の舞台に上がってくることを楽しみにしています。

diary2010/03/31

たかがではないオープン戦

 横浜はオープン戦で8試合も勝利がありませんでした。尾花新監督が就任しましたが、これでは昨年までと何ら変わらないと思われても仕方ないです。
 たかがオープン戦ではありません。若手にチャンスを与える序盤戦ならまだしも、開幕が間近に迫り、主力中心でメンバーを組むこの時期は公式戦を想定しなければなりません。私も西武監督時代に、最後の数試合は本番と同じように勝ちにいっていました。就任1年目の最終戦は巨人に大勝しました。選手の自信になり、ベンチも手応えを感じられました。その先に日本一もあったと思います。そういうものなのです。
 横浜は近年低迷し、昨季も最下位を独走しました。今シーズンは何かが違うと他チームに思わせないといけないし、自分たちも違うんだと思わないといけません。優勝争いの常連の巨人や中日のように、たとえオープン戦で負けていても、公式戦は違うと思われ、思えるチームとは違うのです。横浜こそ、たとえ練習試合でも「勝ち癖」を身に付ける必要があったのです。
 今季もセ・リーグは上位と下位に力の差がありそうです。横浜は体制が変わり、選手が大幅に入れ替わっても厳しい戦いを強いられることでしょう。昨年までのお荷物状態ではリーグの盛り上がりにも水を差してしまいます。開幕まで残り試合は少ないですが、本番に期待を持たせるプレーを一つでも多く積み上げていってもらいたいですね。

diary2010/03/25

長野効果

 巨人のキャンプで注目していたのは長野久義選手でした。ドラフトで2度も指名されながらもいずれも入団拒否を経ての巨人入りで、どれほどの選手かとちょっぴり意地悪な気持ちでも受け止めていたからです。

 実際見てみると、紅白戦で好結果を出してきたように、非常に実戦向きの選手だと思いました。足の速さはチームトップの鈴木選手の次と聞きました。強肩で、送球もコンパクト。伊原ヘッドコーチは「(攻守の)総合力で使える選手」と話していました。
 またメンタル面もいいものを持っているのでしょう。私が思っている以上に、ほかの選手たちは入団拒否したことに対して厳しい目を持っていたと思います。今のところ、その重圧を感じさせないのは精神面が強い証しです。プロ入りが遅れ、1年目から結果を求めていく強い気持ちが、その裏にあるのかもしれませんね。
 それにしても、巨人の外野の定位置争いは激烈になりました。ラミレス選手は不動だろうが、亀井選手、松本選手、谷選手、高橋選手…。亀井選手と松本選手は1年を通しての実績を残したのが昨季だけで、高橋選手は故障で昨季の実績がありません。長野の加入が各選手の尻に火を付けていますね。
 先発投手陣からは高橋投手(現メッツ)が抜けましたが、投打で見ると長野選手という上積みがチーム力を落とさないでいるように見えます。さらに、シーズンが進めば外野手争いに敗れた選手が先発投手獲得のためのトレード要員になるかもしれないな、などと考えつつ「長野効果」の大きさに思いをはせました。

diary2010/03/23

逆転した練習風景

 キャンプの練習風景で興味深かったのは外国人監督が就任した楽天と外国人監督が去ったロッテの好対照ぶりでした。

 楽天は野村克也前監督が意図的にマスコミを使って、選手をやり玉に挙げていました。発奮材料にする選手もいれば、逆に萎縮する選手もいました。ブラウン監督はそういう手法を取っていませんでした。特に若手選手の表情が明るく、伸び伸びとやっているように見えましたね。
 一方、ロッテは放任主義だったバレンタイン前監督時代とは打って変わって、西村徳文監督はオーソドックスな、いわゆる日本式の厳しいキャンプをしていました。西岡剛選手などは髪を黒くし、去年までいた打撃練習を短パン姿で行ったり、シャツを出して行ったりする選手も見当りませんでした。これまでなかった規律や一体感も感じられました。
 楽天とロッテ、昨年までと練習風景は逆転したようでした。どちらがシーズンの成績に結び付くかは、終わってみないと分かりませんが、一概には言えませんが、私は楽天に不安を感じました。選手は自由になったかもしれないが、口酸っぱく言う首脳陣がいなくなり、元のチームに戻る危険性があると思っています。昨季2位で周囲が求めるレベルが高いのも結構、プレッシャーになるものですから。
 昨季5位のロッテは失うものがなく、上がるだけです。野球に取り組む姿勢を変えたからといって、すぐに結果が出る世界ではないのですが、これはすごく大事なことです。好感が持てたし、シーズンでも少なくとも勝利に向かう姿勢に関しては期待していいのではないかと思っています。

diary2010/03/15

勝利で救いを

 オリックスの小瀬外野手がキャンプ中のチーム宿舎で転落死するというショッキングな出来事が起きました。私は常々、将来有望ないい選手だと思っていました。さあこれからレギュラーを、という時期だっただけに、言葉を失ってしまいました。

 私が西武の選手だった時、ハワイで行われていたキャンプでのことでした。ゴルフ場で開いた選手と裏方さんによる駅伝大会に出場したスコアラーが急死したことがありました。私もお世話になった優秀なスコアラーの方でした。亡くなる2日前には住宅ローンの話など、1時間半ほど話し込んでいました。それが最後の会話になったので、余計に衝撃が大きかったのを覚えています。
 今回は現役選手です。岡田彰布監督の心痛は、私も監督経験者として察するにあまりあります。新監督として迎えたキャンプの序盤での悲劇でした。チームを立て直すと言っても、心の問題だから簡単なことではなかったでしょう。「選手には前向いていこうなんて、よう言わん」と言っていたが、その通りだったと思います。
 小瀬選手は戦力的にもレギュラー奪取を期待していた1人です。今が伸び盛りで、俊足好打が持ち味で岡田監督には魅力あるタイプだったことでしょう。外野の定位置争いを激しくし、チームをレベルアップさせるにはうってつけの存在だったのですが…。その後、西武から赤田将吾選手をトレードで獲得したことも、小瀬選手を失ったことの大きさが感じられました。
 陳腐な言い方になるかもしれませんが、今回の件が残した痛みを和らげるのは、やはり勝つことです。チームが小瀬選手のために一丸となった姿を感じさせることができれば、救われる部分もあるのではないでしょうか。開幕も近づいてきましたが、「岡田オリックス」の健闘を祈っています。

diary2010/03/05

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