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カーブだけではない岸投手

 西武の岸孝之投手が今季は投球の幅を広げた姿を見せています。私はその陰に、昨季まであまり投げていなかった右打者へのチェンジアップがあると思っています。
 岸投手は私が西武で監督を務めた最後の年にプロ入りし、当時はスライダーが最大の武器でした。チェンジアップも放っていましたが、対左打者に限定していました。当時からカーブはいいものを持っていて、使うように勧めていましたが、なかなか使う勇気を持てませんでした。それが2年目の日本シリーズで巨人相手に自信を付けて完全に自分のものとし、今では彼の代名詞にもなっています。
 もちろん、今季もカーブは威力を発揮しています。しかし、それ以上に右打者に対するチェンジアップの精度の高さが際立っていますね。打者有利のカウントでこれを決めることによって、自らの投球を楽にしていることも多いです。
 日本球界で右腕のチェンジアップはシュート回転して打者に当たりやすいため、使うのは左打者にかたより、代わりに右打者にはフォークボールを使う傾向にあります。左腕でも左打者にこの球種を投げるのは杉内俊哉投手(ソフトバンク)内海哲也投手(巨人)らに限られるほど制球が難しいのです。
 チームメートで同じ右腕の涌井秀章投手も、岸投手のようにはチェンジアップを使いこなせていません。いかに岸のチェンジアップが希少価値かが分かるというものです。岸と言えばカーブ、と思っていると特に右打者は痛い目に遭うのではないでしょうか。

diary2010/06/30

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